活動報告

動物と暮らせる社会 〜わが街栄区で様々な命と〜|タウンニュースに記事を書きました

日頃から、何かにつけ考えの基準に据えるべきことに「命」があります。
とりわけ「動物」のことは「命の在り方」そのものですから、動物に対してどう考え、どのように行動するかは、そのまま、人としてどうあるべきかを考えることにもなります。
また、もし仕事に置き換えるとするならば「どこに選択と集中を置くか」の基準にもなりえるとも思うのです。

地域猫だった「せーちゃん」地域猫だった「せーちゃん」

天神橋にある私の事務所の裏にも、地域猫ちゃんがいました。
みんなのアイドルであり、みんなに癒しをくれる存在です。多くの方に声をかけられ、猫ちゃん本人もまんざらでもない様子です(笑)。
ところが最近、その猫ちゃんの姿を見かけない日が続き、どうしたかと思っていたところ、ある御宅の「家猫ちゃん」となり、暮らしのリズムが変わっていたことがわかりました。

屋外に暮らす地域猫というものは、いつでも感染症やいじめなどの危険に晒されています。できる限り飼い主を探し、人とともに安心安全な環境を整えてあげることが大事なようです。
こうした身近な経験も大切に捉えながら、猫の幸せと地域住民の幸せはどうあるべきか、横浜市の施策や多種の関係者の声をヒアリングしていくうちに「保護猫活動」にも出会い、生き物の幸せの形を、改めて深く考えることとなりました。

そんな中で、ある90歳を超えたお一人暮らしの方がこんなことをおっしゃっていました。

”気の合う猫と出会えたけれど、おそらく自分の方が先に世を去る。
残しては逝かれない、申し訳なくて飼うことができない。”

私はこの言葉にたいへん心を動かされました。
このようなお気持ちはたいへん多くの方が抱いているものと思います。

そうした中、飼う方に万一のことがあっても次の飼い主が決まっていれば安心して飼える、そんな体制を整えようといった活動も始まっています。
高齢者の方は、猫を相手にお話をすることで、大きな声が出るようになり、猫のトイレのお世話をしてくださるブリーダーさんや民生員さん、ケアマネさんなどの見守りが必ず1日1回来るようになり、お元気を取り戻しています。これらは動物との共生のモデルケースと言えるのではないでしょうか。動物と共に暮らすことは、健康寿命を延伸する一助であり、社会全体としても大切な機能のひとつであることが冷静に判断できます。

事務所の裏の地域猫ちゃんに癒しを求めていた皆様には、ぜひ「保護猫カフェ」の存在を知っていただきたいです。少しお金はかかりますが、愛おしい命を大切にするためにかかるお金は、労働の意欲にも結びつきます。寂しい心を抱えている人にも、動物を通じて社会と関わるきっかけにもなることと思います。

多くの方々と考え方を共有し、共感しあい、時には異論を交換することが大事です。大人のこういった姿勢は、子供達の心にも響き、街づくりのあり方や高齢者の施策、医療、経済活動にも「命」を基準とした本物の思いやりが息づく社会の形成につながります。
動物との共生社会を考えることをきっかけに、多くの皆さまの「命」について思いを深めることができたら幸いです。

本日付けのタウンニュースにも「動物と暮らせる社会 〜わが街栄区で様々な命と〜」という記事を書かせていただきました。
あわせてお読みいただけれたら嬉しいです。
タウンニュース(港南区・栄区版)2018年5月3日号

2018年5月3日
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