活動報告

さかえ横浜会議|口腔ケアと感染症予防|~コロナで変わる社会~ ピンチをチャンスに変えて!!

口腔ケアと感染症予防
オーラルフレイルと感染症との関わり

緊急事態宣言下の暮らしが続くなか、いま栄区は? 
そして、私たちが知り、意識していくこととは、何でしょうか。

季節が冬から春へと移りはじめる様子を見せはじめる2月、
毎月11日に開催している「さかえ横浜会議」では、
大矢歯科医院長 栄区歯科医師会会長 大矢享先生をお迎えし、
オンラインツールZoomを使って開催しました。

大矢先生からは、毎日行う歯磨きをはじめとした口腔ケア(お口のケア)のポイント
そしてコロナ禍だからこそ続けていきたいこと、心がけたいことなどを
5つの提言として、ご教示いただきました。

むし歯や歯周病も、実は「感染症」です。
これらを防ぐ口腔ケアは、実は新型コロナウイルスをはじめとする感染症とも大きな関わりがあったのです。
ケアや認識のポイントを、当日の様子と合わせてご覧ください!


<上段から 大矢先生、輿石市議、司会の星野先生>

◎大矢先生による5つの提言
帰宅時の習慣となった手洗いうがい、そして自分自身のメンテナンスである
歯磨きをはじめとした口腔ケアは日常と認識している方は多いことでしょう。
口腔ケアは、感染症予防という観点からも目を向けて、ポイントをおさえることが大切です。

そして、口腔ケアに関心が向かなくなると人はどんな状態になるのか。
そのリスクとは?
ここで、大矢先生が提示くださった5つの提言の内容をご紹介します。

1.ウイルスは主に鼻及び口から侵入
感染症予防のため、正しいマスクの着用とうがい・手洗いが重要。

2.毎日の口腔ケアは、むし歯や歯周病予防に大切
だが、新型コロナウイルス等の感染症の予防にも効果がある。

3.歯周病菌は新型コロナウイルス感染症と強い関りがある
歯周病の予防および治療、その後のメンテナンスも重要なポイント。

4.外出自粛により、コミュニケーションの断絶や個食、運動不足に
これらが口腔機能の低下「オーラルフレイル」の進行の要因ともなる。

5.新型コロナウイルス感染症予防をはじめ、歯科医療機関では新たな感染予防策を展開

◎歯周病と感染症の関わり
むし歯や歯周病は感染症です。
新型コロナウイルスも感染症ですから、同等に考えてよいものです。
歯磨きをはじめとした口腔ケアは、予防という点において効果的であるととらえましょう。

歯垢は、口腔内のばい菌の塊です。
歯垢の除去は原則ですが、ほおの内側などに新型コロナウイルスがついているという可能性もあるので、歯磨きなどで歯垢を除去していくことは、重要なのです。

◎歯周病菌は新型コロナウイルスと大きな関わりが
非常に強い毒性をもつ「歯周病菌」は、体のなかに入るとさまざまなま悪さをすることで知られていますね。
そして、新型コロナウイルス侵入の手助けや体内に取り入れやすくする酵素を出すことがわかっています。

歯周病菌を誤嚥してしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こすことも。
歯周病は怖いもの、予防が重要ということを再認識しましょう。

◎オーラルフレイル
オーラルフレイルとは、オーラル(お口の)フレイル(虚弱する)、すなわち「口腔内の機能低下」。高齢になって口腔の筋肉や活力が衰え、歯や口の機能が虚弱になることを指します。
誤嚥性肺炎のリスクも高めてしまうので、意識をして改善予防をしていく必要があるのです。

誤嚥性肺炎を防ぐためにも、舌口唇機能のチェックをしてみましょう。
「パ」「タ」「カ」を発音してみるチェック方法というものがあります。

「パパパパパパ」「タタタタタタ」「カカカカカカ」
連続で同じ音を発音します。
1秒間で6回くらい言えていれば、舌口唇の運動機能は大丈夫!
嚥下のリハビリ効果もあるチェック方法なので、定期的にやってみてもいいですね。
ほかにも、健口体操 おでこ体操などをご紹介いただきました!

◎イソジンのこと
イソジンは、うがいに活用すると効果的です。
大矢先生の歯科医院では、治療前のうがいにも活用されています。
まれにアレルギーある方もいらっしゃいますが 効果は十分にありますので、ご自宅で戸棚の中にしまいこんでいる方は、ぜひ活用してください。

◎歯磨きの仕方も見直して!
やり方はいろいろありますが「なれた方法をお勧めする」というお話をいただきました。
みがき残しがないかは、歯科医院を訪れてみてもらい、指導してもらうのがよいそうです。

歯磨きには、通常の歯ブラシやデンタルフロス、電動歯ブラシ、水溶性歯磨き剤、関連するものとして舌ブラシなどがあります。
歯ブラシ1本で完璧に磨くのは難しいのと同様に、電動歯ブラシのみでも、磨き残しが出てしまいます。しっかりケアと忙しいときなど通常のものと併用するのが効果的です。

義歯(入れ歯)に関しても同様で、自分の歯と同様に最近が多く付着します。
ケアアイテムも、さまざまなタイプがあるので、自分に合ったものを選び、日常のケアをしっかり行いましょう。

◎歯科医療機関の取り組み
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、歯科医療機関は厳しい状況に直面しました。
対策として、大矢先生の医院をはじめ「感染対策強化型診療所」として認定を受けている医院では、次のような取り組みを実施しています。
ほかにも、しっかりした換気や受付のガード、手指消毒などを実施し続け、患者さんの来院も戻って来ているそうです。


<使い捨てや個別消毒の器具、治療前のうがいなどを取り入れていらっしゃいます>

かかりつけの医院がない方にとって、新型コロナウイルスの脅威がおさまらない中、どんな歯科医院にかかったらよいかわからない、不安という方もいらっしゃることでしょう。
迷ったときには、感染対策強化型診療所を訪れてみるとよいのではないでしょうか。

—————————–

◎参加した皆さんからの質問
たくさんの質問に対し、大矢先生はやさしい笑顔でわかりやすくお答えくださいました!

司会 星野先生:イソジンについて。歯周病のない患者さんも含めて、積極的にうがいに活用したほうがよい、という認識でよいでしょうか?
大矢先生:活用していくことをおすすめします。全体的な口腔内のケアに有効と考えています。
たとえば朝起きたときなど、1日1回だけでも行うといいですね。

Mさん:イソジン以外のうがい薬も、効果は期待できますか?
大矢先生:有効です。うがいを行うこと自体に感染予防効果があるので、ぜひ実施していきましょう。

Kさん:歯磨きについて。水流で行うタイプのものは、効果がありますか?また、効果的な使い方を知りたいです。
大矢先生:いいと思います。水流のものには、歯間ブラシやフロスと似たような効果があります。歯と歯の間などは、水流ジェットだけだと完全ではないので、歯ブラシなどと併用がおすすめです。

Nさん:歯ブラシについて。やわらかいもの、かたいものなどありますが、使い分けのポイントを教えてください。
大矢先生:歯ぐきが弱い方などは、やわらかいものを使ってもよいでしょう。一般的には、ふつうのかたさがおすすめです。かたいタイプについては一時はやりましたが、トラブルもあり、磨けないことも。個人の好みもあるけれど、普通のかたさで十分。

Iさん:朝の口腔ケアは重要ですか? ちなみに私は歯ブラシとフロスを併用しています。
大矢先生:就寝中は唾液が減りますので、朝はお口のなかが雑菌で汚れています。忙しい時間帯でもありますが、しっかりやったほうがいいです。臭いが気になる部分などがあれば、フロスなどを使ってその部分の汚れをしっかり落とすのがベストです。

Sさん:コンビニなどで、おにぎりを素手でもって食べている人について。食べたあとから、感染予防についてやれることってあるのでしょうか? また、その効果は?
大矢先生:食べる前に手指消毒が前提ですし一番よいですが、事後でもお口をしっかりゆすぐ、うがい薬を使うなどは、行う意味があります。口腔内にウイルスが残っているかも、というところがあるので、事後にうがいをしっかり行うことは予防のために行ってほしいですね。

Kさん:歯磨きは重要ですが、磨き粉はどう選んだらよいですか?
大矢先生:いろんな種類が出ている。ホワイトニング 歯周病 目的に合わせて選ぶとよいでしょう。

司会 星野先生:歯科クリニックを訪れるタイミングについて。
虫歯など、実際に歯のトラブルがないと入りづらいイメージがあります。
なんと言って、クリニックに行けばよいのでしょうか。

大矢先生:医院側から申しますと、なんでも言ってくれてかまわないです。
先生に言いづらければ、スタッフに伝えるのでもよいでしょう。
気になることがあったら、まずは受付などで話してみてください。

Uさん:介護の立場から
施設を使用する高齢者に対して、マスクをしながらですが、口腔体操などやっています。
お食事後の口腔ケア後には、市販のアルコール消毒剤で洗面台2台を個々に消毒をしています。
洗面所自体もアルコール消毒をしていますが、これは効果的ですか?

大矢先生:消毒は、続けていただくのがいいと思う。
イソジンを使って実施している施設もあります。
ぜひ、続けてください。

—————————–

いつも朗らかで、やさしい歯医者さんというイメージの大矢先生。お忙しいなか、口腔ケアについてさまざまな点からボリューム満点なお話をありがとうございました。

新しい生活様式で日々を過ごすと、たくさんの気づきがあり、きょうも新たな発見がありました。本日は、「オーラルフレイル」という言葉を知ることができたとう方も多いのではないでしょうか。

コロナ禍となってから約1年、皆さんそれぞれ、感染症への向き合い方を模索している日々です。
大変な状況は続きますが、コロナ禍が私たちの意識を変えてくれたものと受け止め、
さかえ横浜会議は、毎月11日に勉強会を続けます。

健康管理そのものと安心して暮らせる環境づくりを考え、見直すきかっけとして、発信をし続けていきたいです。

3月11日はマンション管理士の方に登壇いただき、防災のとらえ方についてお話いただきます。楽しみにお待ちくださいね。

毎月11日に、どんなテーマがやってくるのか。
いろんな人が集い、新しい発見がある。
すべての発信は、さかえ横浜会議から!

2021年3月5日
ページの最初へ