国民の生命をあずかる真の安心医療行政に提言/子宮頚がんワクチン副反応問題を受けて

子宮頚がんワクチンは、2009年10月に厚労省により認可、2013年4月には公費助成を行う法改正もされ定期接種となりました。

しかし、接種した方から重篤な副反応と思われる症状があらわれ、同年5月23日、私が横浜市議会で初めて一般質問で採りあげ「国の方針に従うだけでなく、市が現在できること(独自調査ほか)に取り組み、国に対して意見提言を」と訴えました。続く6月14日には厚労省の積極的勧奨一時中止がありました。


子宮頚がんワクチン被害の大きな問題は、副反応の重篤さと回復見込みの不明瞭さです。
副反応は「金槌で殴られるような頭痛や全身の激痛、何時間も続く激しい不随意運動、強度の記憶障害、歩行困難、視力低下」など症状も重度も複雑多様です。

私は被害者である子供たちとそのご家族に何度となくお会いさせていただき、実際の症状の様子なども目の当たりにしてきました。
子育て中であり同じ世代の娘を持つ母としてご家族の心中は察するに余りありますが、被害者のご家族からは、一様に接種を判断した親である自分たちを責める発言が聞かれ、切なさに胸が詰まります。
親として責任を感じるのは無理からぬことですが、国が進んで接種勧奨した現実を思うと、やはり親の責任ではないし、ましてや症状に苦しむ当人にはなんの責もない。国の対応に甘さがあったと言わざるを得ません。
厚労省からは「精神的なもの」との発表がなされたり
医療機関の設定が遅々とするなど、被害現状を直視しない対応が続きました。


こうした中、私は積極的勧奨を後押しした横浜市議会として厚労省に対する正式な意見書提言を訴えるに至りました。
医療という専門分野であり、行政・議会が無料接種等を要望してきた経緯もあって、提言書のとりまとめは容易ではありませんでしたが、粘り強く各会派との交渉を続け、2014年12月25日付で横浜市会議員86人全員の賛同を得て厚労省へ提言書を提出することができました。


その後、国の方針が定まらないでいる間も、副反応の発症者は毎日苦しみ続けていました。治療方法も特定されず、個々の医療費用だけがいたずらに増大し続けていく現実に、たとえ独自でも支援に踏み出すべきと訴え続け、2014年5月全国でも初となった横浜市独自の医療費補助・医療支援が始まりました。2015年2月末までに15人が認定を受けています。
この支援は「横浜型」とも呼ばれ、他の自治体にも少しづつ支援策が出始めています。しかし現実は、これらの支援策が被害者を救済したとは言えるものではありません。


国民の生命・財産の保全は行政が最も優先すべきものです。そこで支障が生じたにも関わらず一度決めたからといって変更もできないような施策では、そもそも国民の幸福に資するものとは言えません。
過去の経緯を乗り越えて次の手を打つ姿勢こそが政治全体の信頼を得る唯一の道だと信じています。


これは医療従事者にも等しく当てはまるとの思いから多くの医療従事者と語りあい、連携をとりながら事前承諾を得て提言書作成を進めることができました。

そして2015年3月31日、被害者連絡会はこの問題の全面解決に向け、販売元であるグラクソ・スミスクライン社と厚生労働大臣に対して全面解決の要求書を提出することができました。
この要求書についても今後結果が明らかにされて行きます。

(こしいしかつ子リポート28号より一部改定再録)

kabasawa

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