横浜市財政局は、これまでは10年程度の財政見通しを発表してきましたが、2022年4月に初めて、2065年までの40年程度を見通す長期財政推計「横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョン」(素案)を作成しました。
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/zaisei/jokyo/zaiseivision/zaiseivision.html
「高齢化の進展は社会保障費による歳出拡大を招き、少子化によって市民税などの歳入が縮小していく」という見通しとなり、2065年には収支差は1,752億円(中位)になるとしています。
しかし、このようなリスクは日本中どこにでもあるありふれたもので、その理解はすでに国民的な常識となっています。
私は、横浜市にはもう少し夢のあるビジョンが必要だと改めて考えさせられました。
この「横浜市の持続的な発展に向けた財政ビジョン」(素案)に対して行われた市民意見募集結果が、同じ市のホームページで公表されています(募集は既に終了)。ご意見は貴重なものばかりで、ぜひ皆様にもご覧いただきたいと存じます。
その一つに興味深いご意見がありましたのでご紹介します。
「通貨発行権を持つ日本政府に対して交付金を出すよう働きかけるべきだと思います。その視点がない中、一般家庭の家計簿のような観点でこのビジョンを作成しているように見えるため、「将来世代から前借している」など頓珍漢な記載になっているように思われます。日本政府のみが持つ日本通貨発行権というものを無視して、このようなビジョンを掲げても意味がないです。市政であっても貨幣・通貨といったものの理解を深めていただきたいです」
というものです。
ご存知の通り、国における財政議論は、大雑把ながら二つの大きな方向「緊縮財政か積極財政か」があります。
私は前述のパブリックコメントのご意見のように、自治体の財政は家計簿のような財源の発想ではなく、国における通貨発行権や、横浜市などの地方自治体にある市債など公債の発行権を有効に活用して、コロナのような緊急事態時には、地方自治体も積極的な財政を議論していくべきなのかもしれないと考えます。
実際にコロナ対応として、コロナ前には想定していなかった国の拡充予算は100兆円を超えています。専門家の勉強会などにも出席していますが、絶対的な結論に統一されることはありません。
インフレを起こさない細やかな対応と並行しながら、地方自治体が主導する財政出動はありえないのかなど、考えの違いを超えて活発な議論が必要です。
見識深い栄区民の皆様のご意見をお待ちしています。
保有資産活用
私 こしいしかつ子は、これまで、横浜市が保有する土地や建物などをもっと有効に活用して「稼ぐ」視点で自治体運営をするべきと訴えて、自分自身でも歳入を増やす活動をしてきました。(かつ子リポートもご参照ください)
横浜市の財産のうち、市民や事業者が活用を検討できるものとしては、財政局が管理するものが公表されています。ですが各事業局の所管の財産は未活用でも公表されません。
行政のためではなく、市民のためになる資産活用を今後も求めていきます。